「祖父」
ジョニーさんの投稿
(原文のまま)


私が働き始めた頃の話。

家は二世代住宅になっており、二階に私と両親。、
そして、
一階には目の不自由な祖父一人が住んでおりました。

私はいつも仕事で帰るのが遅く、私が風呂に入るのを確認して
(風呂は一階にしかなかった)

「今から風呂か?」

・・・と
風呂の向かいのトイレに行ってから、
私に一声かけてから眠るのが祖父の習慣になっておりました。

その祖父が、腎臓を患って亡くなった葬式の日のことです。

式も滞り無く終わり、日も暮れた頃、
父と母、そして弟はそれぞれに弔問客の送迎に出てしまい、
家には私一人とななっていました・

通夜から風呂にも入っていなかったのを思い出し、
誰もいない家で一人湯船につかり、疲れをとることにしたんです。

すると
トイレのドアが「ばたん」と閉まる音がして

「今から風呂か?」

・・・と、祖父の声

私もついいつも通り

「うん、今日も大変やったから! おやすみ」

「そうか、おやすみ」

・・・と。

祖父の部屋の方に

「ぱたぱたぱた」

・・・とスリッパの音が遠のいていきます。

そのスリッパの音でふと我に返りました。

「そうや、今日、おじいちゃんの葬式やったんや!」

あわてて、風呂を飛び出し家の内外を確認しましたが、
葬儀の終わった後の家は私以外誰も居るはずも無く

し〜ん

・・・と静まり返っておりました。