「足だけの幽霊」
信州某温泉郷、他館先Aホテル


プライベートでも親友のガイドのMちゃん。

彼女、自称、霊感ゼロと言うのですが、

「いや、いや、絶対、霊感強いって!」

・・・と断言できるような体験談がテンコ盛りで
このHPにも文庫本にも、彼女の体験談を多数取りあげてます。

今回、紹介する話は、そんな彼女の最新体験談です。

今年の9月上旬
信州某温泉郷、他館先Aホテル

その日、彼女が通されたのは古い造りの和室
深夜、

「うぅっ、寒ぅ〜」

彼女は余りの寒さに目を覚ましたんです。
いくら信州とはいえ、この時期の気温ではありません。

彼女はエアコンを入れようと起き上がろうとしますが、
身体が全く動かないのです。

横向きで膝を抱えた姿での金縛り状態は少しキツイそうで
何とか身体を動かそうともがくと

ゴロン

身体の形はそのままに上向きになってしまったそうです。

「う・・・うぅ・・・、さっきよりしんどい」

その時、
彼女は足元に只ならぬ気配を感じて、
気配の方向に目を向けようと・・・

「あ、足が邪魔で見えない」

まぁ〜ねぇ〜、
膝を抱えた姿のまま上を向いているわけですから、
足が邪魔で足元方向が見えないのは当然です。
そこで、彼女は身体を前後に振り始めたたのです。

身体の向きを変えたり、前後に振ることは出来るのに
膝を抱えた姿は全く変えられないとは変な金縛りだな。

・・・彼女はそう思いつつ、
頭が上に上がった時に足元を見たのです。

すると、
足元、布団の端から1m位下辺り、畳から1m位の空中に、
人の両足らしきものものが浮いていたのです。

ふくらはぎ辺りから上は暗くて見えなかったのですが、
彼女の顔の方に向かって歩いてくるのが分かりました。

スタ、スタ、スタ、スタ・・・・

その両足はゆっくりと彼女の顔の方に近づいてきます。
そして、一歩一歩進むごとに、

ひざ下 〜 ひざ 〜 ひざ上 〜 ふくらはぎ

・・・と、見える部分が上がっていきます。

彼女は、空中を歩く足から目が離せません。
怖くて仕方がないのに、何故か目が離せないのです。

生きた心地がしない・・・というのは、正にこの事です。

そして、ついには腰の辺りまで見えるようになり、
その両足は彼女の顔の上を通過して、
そのまま壁の向こうに消えていったのです。

その瞬間、
金縛りが解け、彼女は布団の上に大の字になったのです。

「ふぅ〜、助かったぁ〜、何なの? あの男の霊は?」

彼女がそう呟いた時には、部屋の気温も元に戻っていたそうです。


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MoMo  「へぇ〜、両足だけの幽霊だったのね。」

Mちゃん「そう、怖かったぁ〜」

MoMo  「でも、どうして、足だけなのに男の霊って分かったの?」

Mちゃん「うん、パンツ履いてなかったから」

MoMo 「あっ、そっ・・・。」 (;一_一)