「カーテン」
三重県 ホテル某


高速のSAの乗務員室で同席させて頂いた
名古屋のバス会社のガイドさんにお聞きした話です。

その日、彼女が通されたのは、
造りは古いけど、なかなか良い感じの和室だったそうです。

深夜、彼女は何とも微笑ましい夢を見たそうです。

4〜5才くらいの男の子3人、女の子1人の4人の子供たちと
公園でかくれんぼをしているんです。

男の子「あっ! お姉ちゃん、見ぃ〜つけた!!」

彼女 「あぁ〜ん、見つかっちゃったぁ〜、残念。」

子供達「見つかったんだから、今度は、お姉ちゃんが鬼だよぉ〜!」

彼女 「よ〜し、皆、頑張って隠れないさいよ〜」

ちょうど、その時、
自分が鬼になった場面で、彼女、目を覚ましたんです。

「かくれんぼかぁ〜、なんか懐かしいなぁ〜!
 私もあの年の頃は、近所のお友達とよくやってたなぁ〜」

と、ちょっと童心にかえって

「もういぃ〜かい?」

・・・って、思わずつぶやいたんです。

すると、部屋の隅から子供達の声が

「もういいよぉ〜!」

えっ、今の声、何? 私、寝ぼけてるのかしら

「もういぃ〜かい?」

彼女は、試しにもう一度、つぶやいたんです。

「もういいよぉ〜!」

一段と元気な子供達の声が聞こえるんです。

彼女、その声に吸い寄せられるように

「な、何? 気のせい、気のせいよね?」

・・・と、声のする押し入れの前に立つと、一気に

『ガラッ』

押入れを開けたんです。
そこには、夢て出てきた4人の子供達が三角座りをしています。

「お姉ちゃん、さすがね」

「こんなにスグに見つかるとは思わなかったよ」

「今度は僕達4人が鬼だよ」

「僕達、どこまでも、お姉ちゃんを追いかけて行くからね」

「ぎゃぁーーー!!」

彼女は、そのまま部屋を飛び出すと
ドライバーさんが寝ている隣の部屋のドアを叩いたんです。

『ドン、ドン』

「助けて! 開けて! 部屋に入れて!」

数秒後、寝ぼけ眼のドライバーさんがドアを開けてくれたので、
部屋の中に飛び込み、今見たことを、話したんです。

彼女 「それで、それで、子供の幽霊が・・・」

ドライバー「まさか? 夢でも見たんだろ?」

彼女 「夢じゃない! 夢じゃないのよ! 今だって、ホラ、そこに!」

ドライバー「う、うわぁーー!!」

彼女の指差した窓のカーテンの下には
半透明の子供の足が8本見えていたそうです。