「化粧」
東海地方Uホテル


社員旅行でいつもお世話になっている
大阪の某繊維会社のK課長が大学生3回生の時の体験談です。

Kさんは当時交際していた彼女と2人で東海地方に旅行したんです。

宿泊は、離れ小島にあるUホテルです。

離れ小島のホテルですから、
宿泊客は皆、フェリーに乗ってホテルに入ります。

2人は初めての旅行という事もあり、
日中、時間を忘れて遊びまわったそうです。

そして、2人がホテルへ向かうフェリーに乗る頃には、
あたりは真っ暗になっていたそうです。

K 「遅くなっちゃったね。」「 あっ、ここに座ろう」

彼女「うん、でも、楽しかったぁ〜」

K 「あっ、ここに座ろう」

彼女「うん。」

このフェリーの客室は、
通勤電車のような長いシートに向かい合って座ります。

Kさんは彼女と隣同士で座り前を見ると
向かいのシートに、髪の長い女性が座っていて一生懸命を化粧をしています。
手をいっぱいに伸ばして手鏡に顔を映してます。

女性「あっ、失敗した、やり直し」

  「いやだ、また直さなくちゃ」

Kさんは彼女の耳元で

K 「なぁ、ホテルの到着前に化粧するなんて変だよな」 

彼女「・・・・・」

でも、彼女は女性をじっと見たまま返事をしません。

K「あんなに丁寧に化粧するなんて、彼氏とホテルで会うのかな?」 

彼女「・・・・・」

彼女の目は女性にくぎ付けのままです。

K「おい、俺の話聞いてる?」 

彼女「ち、違う! 
   あの人、化粧なんかしてない! 
   か、顔を書いてるのよ!!」 

K 「な、何だって・・・!?」

その女性、
お化粧を直していたのではなく、
のっぺらぼうの顔に一生懸命に顔を書きこんでいたのです。